レグテクト(一般名:アカンプロサート)はアルコール依存症治療薬です。
適応症
アルコール依存症患者における断酒維持の補助
用法用量
666mg(2錠)を1日3回食後投与
禁忌
重度の腎機能障害のある患者
アルコール依存症について
WHO(世界保健機構)では、下記6項目のうち3項目に該当すれば、アルコール依存症に該当するとしています。
・強い飲酒欲求
・自分の意思に反して飲み過ぎてしまうなど、飲酒のコントロール喪失
・飲む量を減らしたり、やめたときに、手指振戦や寝汗、不眠などの離脱症状
・お酒に強くなり、一定の高揚感を得るのに必要な飲酒量が増える耐性形成
・飲酒のために、仕事、付き合い、趣味など大切なことを諦め飲酒中心の生活に
・多量飲酒による心身の疾患があり、それが飲酒によるものと分かっていながら飲酒を続ける
断酒(1滴も飲酒をしない)が最良の治療目標になります。
作用機序
アルコール依存では、中枢神経系の興奮性神経であるグルタミン酸作動性神経の活動が亢進しており、抑制に関与するGABAの量が減り、興奮性神経伝達と抑制性神経伝達の間に不均衡が生じていると考えられています。
レグテクトはアルコール依存で亢進した、グルタミン酸作動性神経の活動を抑制することで、興奮と抑制の神経バランスを整え、飲酒欲求を抑制すると考えられています。
グルタミン酸の受容体の一種であるNMDA受容体を阻害することで、興奮性神経のグルタミン酸作動性神経を抑制できます。
注意点
腎排泄型の薬剤であるため、肝機能障害のある患者にも投与しやすいですが、
腎機能が 30≦Ccr<60 と低下している場合は
1回333mg(1錠)1日3回に減量します。
重度の腎機能障害がある方には禁忌となっています。
レグテクトの吸収は食事の影響を受けやすく、有効性や安全性は食後投与により確認されているため、食後に服用する。
空腹時に服用すると、食後服用に比べ血中濃度が上昇するおそれがあります。
原則、投与期間は24週間とされています。
治療上の有益性が認められる場合にのみ投与を延長できますが、定期的に継続の必要性を検討するようにします。
レグテクト服用中にお酒を飲んでしまった場合は、医師に相談するよう指導します。
治療をそのまま続けるか、他に患者にあった治療法がないかを検討します。
比較的多い副作用は下痢です。
眠気や頭痛などが生じる場合もあります。