薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

プレガバリン(リリカ)の副作用、注意点について

神経障害性疼痛治療薬であるプレガバリン(リリカ)の作用機序や腎機能に応じた用量調節についてまとめました。

 

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今回はプレガバリンの注意点についてまとめていきたいと思います。

 

プレガバリンの副作用で多いのは、めまい、傾眠、浮腫です。

眠気やめまいはかなりの頻度でみられており、高齢者ではこれらの症状により転倒し骨折等を起こした報告もあります。

眠気やめまいの多くは飲み始めの時期(投与後2~6日)に発現しており、最初は特に注意が必要です。

投与初期に発現した眠気やめまいは、継続しているうちに消失したとの報告もありますが、「13週間で63.9~83.1%が改善した」と長い期間服用しての数値ですので、眠気が出ていても軽くなるまで続けてくださいとは言いにくいですね。

また、自動車事故のおそれもありますので、服用中は高齢者に限らず運転は控えるようにします。

 

 

 用法用量の所でも述べましたが、プレガバリンは腎排泄型の薬剤です。

CYPによる代謝などは受けませんが、多くが未変化体のまま尿中へ排泄されるので、腎機能が低下していると血中濃度が上昇しやすく副作用が生じるおそれがありますので、腎機能に応じた用量調節が必要です。

 

高齢の方は腎機能が低下していることが多く、最初は低用量から開始し、認容性が確認されて、効果不十分な場合に増量するなど慎重に投与するようにします。

また増量も副作用をチェックしながら1週間以上かけて行います。

効果と安全性のバランスを見ながら投与量を決定していきます。

 

投与初期や投与量変更時には、眠気やめまいなどの副作用が出やすく、夕方又は就寝前からの開始や増量を検討すると良いです。

また、臨床試験で食事による影響のデータを集めたところ、食後投与に比べて絶食時での服用はめまいの発現率が高くなってしまいました。

添付文書での用法は食後となっていませんが、食後投与の方がめまいの発現率が低いので、こちらを勧めたいですね。

 

急な服用中止は不眠や悪心、頭痛、不安及び多汗などの離脱症状を引き起こすおそれがあります。

中止の場合は、少なくとも1週間以上かけて徐々に減量するようにします。

 

 

  まとめ

・プレガバリンの副作用で多いのは、めまい、傾眠、浮腫である

・高齢者ではふらつきによる転倒に注意する

・腎機能に応じた用量調節が必要

・少量から開始し、夕方や就寝前からの開始や増量を検討するとよい

 

 

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