薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

白金製剤 特徴や副作用について

白金製剤は、構造中に白金(Pt)を含んでおり、DNA合成を阻害することで抗腫瘍効果を発揮します。 

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白金製剤は、第一世代のシスプラチン、第二世代のカルボプラチン、ネダプラチン、第三世代のオキサリプラチンがあります。

 

 

 

 

シスプラチン(CDDP)

第一世代の最初に登場した白金製剤です。

腎障害悪心・嘔吐が有害事象のうち生じやすいです。

シスプラチンが近位尿細管を障害することにより腎機能障害が起こるのを防ぐため、ハイドレーションを行う必要があります。

 悪心・嘔吐が起こりやすい high emetic risk(催吐頻度>90%)に分類されており、制吐対策として、NK1受容体拮抗薬+5-HT3拮抗薬、デキサメタゾンを併用した、強力な制吐療法を行います。

末梢神経障害にも注意が必要です。

多くの固形がんに対して有効性が認められており、現在もがん治療の中心薬剤として使用されています。

 

 

カルボプラチン(CBDCA)

カルボプラチンは第二世代の白金製剤です。

シスプラチンの効果を維持したまま、副作用を軽減することを目的として開発されました。

シスプラチンよりも腎毒性が低く、そのためハイドレーションも必要ありません。

悪心・嘔吐の発症も低くなっており、 moderate emetic risk(催吐頻度:30~90%)に分類されています。

ですが、血小板減少などの骨髄抑制はシスプラチンよりも高い頻度で生じると言われています。

投与量はAUCと腎機能に基づいたカルバート式により計算されます。

 

 

 

ネダプラチン(CDGP)

第二世代の白金製剤です。

ネダプラチンもカルボプラチンと同様に、シスプラチンの副作用軽減を目的として開発された薬です。

腎毒性はシスプラチンよりも低くなっていますが、腎障害予防のため投与後1000mL以上の輸液投与が必要です。

悪心・嘔吐の発生頻度もシスプラチンより低く、moderate emetic risk(催吐頻度:30~90%)に分類されています。

白血球や血小板減少などの骨髄抑制はシスプラチンよりも生じやすいと言われています。

 

 

オキサリプラチン(L-OHP)

第三世代の白金製剤です。

シスプラチンなどと異なる構造をしており、大腸がんにも適応をもちます。

腎毒性はシスプラチンより低く、ハイドレーションも必要ありません。

悪心・嘔吐の発生頻度もシスプラチンより低く、moderate emetic risk(催吐頻度:30~90%)に分類されています。

末梢神経障害の発生頻度が高く、投与初期に生じる急性末梢神経障害と、用量依存的に生じる慢性末梢神経障害があります。

 

 

 また、白金製剤を輸液に混合する際の注意点はこちらです。

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