月経とは
月経(生理とも呼ばれます)は、約1ヶ月の周期で子宮の内側を覆っている膜(子宮内膜)が出血を伴って剥がれ落ち、体外へ排出される現象です。
子宮内膜を受精卵の着床に適した状態にするために変化させ、妊娠しなかった場合は元の状態に戻り、再び妊娠に備えます。
月経周期
月経から次の月経までの日数をいいます。
25~38日の期間が正常周期と言われています。
月経期 → 増殖期 → 排卵 → 分泌期 → 月経期
受精卵の着床がなかった場合は上記のような周期になります。
月経に関与するホルモン
GnRH:性腺刺激ホルモン放出ホルモン
脳の視床下部から分泌され、脳下垂体へ指示が届くと、FSH、LHという2種類の性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)が放出されます。
FSH:卵胞刺激ホルモン
視床下部から分泌されたGnRHが脳下垂体へ届くと、脳下垂体から分泌されます。
性腺刺激ホルモンの一種で、卵巣にある卵胞が発育します。
LH:黄体形成ホルモン
視床下部から分泌されたGnRHが脳下垂体へ届くと、脳下垂体から分泌されます。
性腺刺激ホルモンの一種で、卵巣にある卵胞の発育や、排卵、黄体形成を促進します。
排卵が近づくと急激に黄体形成ホルモンの分泌が増加します。(LHサージ)
エストロゲン(卵胞ホルモン)
女性ホルモンの一種で、卵巣にある卵胞から分泌されます。
FSHにより卵胞の発育が促進され、分泌されるようになります。
子宮内膜を増殖し、妊娠の準備を整えます。
プロゲステロン(黄体ホルモン)
女性ホルモンの一種で、卵巣にある黄体から分泌されます。
LHサージにより排卵が起こった後、黄体の発達とともに分泌が増えます。
子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態にしたり、妊娠の維持に必要なホルモンです。
黄体とは
卵巣にある卵胞から卵子が出ると(排卵後)、卵胞は黄体と呼ばれる組織に変化します。
黄体となった後はプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌するようになります。
月経周期の黄体期に発達します。
卵胞とは
卵子は卵胞という殻につつまれて卵巣に存在しています。
月経周期の卵胞期に発達し、成熟卵胞となり卵子が排卵されます。
ホルモンの分泌調整
ホルモンは下記のような流れで分泌が調整されています。
GnRH:性腺刺激ホルモン放出ホルモン
↓
下垂体
FSH:卵胞刺激ホルモン LH(黄体形成ホルモン)
↓ ↓
卵巣(卵胞) 卵巣(黄体)
エストロゲン(卵胞ホルモン) プロゲステロン(黄体ホルモン)
月経周期とホルモン分泌まとめ
子宮内膜 卵巣 下垂体ホルモン 女性ホルモン
月経期 月経期 FSH分泌
卵胞の発育促進
↓ ↓ ↓ ↓
増殖期 卵胞期 LHの分泌が エストロゲンの分泌
徐々に増加 が徐々に増加
↓ ↓ ↓ ↓
排卵 がピークに
↓ ↓ ↓ ↓
分泌減少 が増加
↓ ↓ ↓ ↓
月経期 月経期 FSHの分泌増加 エストロゲン
卵胞の発育促進 プロゲステロンの
分泌低下