薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

ユーエフティ(テガフール・ウラシル:UFT)の作用機序

ユーエフティ(テガフール・ウラシル:UFT)はフッ化ピリミジン代謝拮抗薬です。

 

 

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  適応症

テガフール・ウラシル通常療法

頭頸部癌、胃癌、結腸・直腸癌、肝臓癌、胆のう・胆管癌膵臓癌、肺癌、乳癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮頸癌

 

ホリナート・テガフール・ウラシル療法

結腸・直腸癌

 

 

 

  作用機序

ユーエフティにはテガフールとウラシルという2成分が1:4の比率で配合されています。

 

テガフールは肝臓で代謝を受けて徐々にフルオロウラシル(5-FU)へと変換され、抗腫瘍効果を発揮します。

 

DNA合成材料によく似たフルオロウラシルは、代謝を受けて代わりにチミジル酸合成酵素(TS)と結合することで、DNA合成が阻害されて抗腫瘍効果を発揮します。 

 

本物の材料ではないので、DNA合成がうまくいかないのですね。

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さらにもう一つの成分である、ウラシルはテガフールの効果を高めます。

 

テガフールは肝臓で代謝を受けてフルオロウラシルとなり、がん細胞へ到達し抗腫瘍効果を発揮します。

 

しかし、がん細胞へと到達する前にフルオロウラシルは肝臓の5-FU系抗がん剤の分解代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼDPD)により分解されてしまいます。

 

しかしユーエフティにはウラシルが配合されており、このウラシルがDPDによる分解を競合する形で阻害し、その結果、がん細胞へ到達するフルオロウラシルの量が増加します。

 

また、がん細胞内にもDPDは存在していますが、そこでもウラシルが競合することでフルオロウラシルの分解を抑制し、効果の持続と増強をもたらしてくれます。

 

このような作用機序により、ユーエフティは抗腫瘍効果を発揮します。

 

 

 

ユーエフティにはカプセルと顆粒剤があります。

顆粒剤は腸溶性のため、服用後に胃部不快感などが出る方に適しています。

 

 

 

 

 

 

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