レボドパ(L-dopa)製剤は最も代表的なパーキンソン病治療薬です。
脳内の不足したドパミンを補ってくれます。
レボドパはドパミンの前駆物質であり、血液脳関門(BBB)を通過して脳に入ってからドパミンへと変換されます。
レボドパは運動症状改善効果が高く、パーキンソン病の治療において最も有用な薬剤であるとされています。
レボドパは高蛋白食により効果が低下するとの報告があります。
これには小腸と脳にあるアミノ酸トランスポーターが関係しています。
服用されたレボドパは小腸粘膜上皮細胞にあるアミノ酸トランスポーターから吸収されます。
高蛋白食の摂取により多量のアミノ酸が存在していた場合、レボドパと競合して吸収が低下してしまいます。
また、吸収されたレボドパが血液脳関門(BBB)を通過して脳内へと移行する際も、アミノ酸トランスポーターから輸送されます。
そこでも血中のアミノ酸が増加していると競合して、脳内への移行が低下してしまいます。
このように、アミノ酸の存在下でレボドパの吸収や脳内への移行が低下するため、高蛋白食の摂取はレボドパ製剤の効果を減弱してしまいます。
ですが、通常の蛋白摂取量であれば問題にならないことがほとんどです。
過度の蛋白制限により、蛋白質の摂取量が減りすぎないように注意しましょう。
日本人の食生活であれば高蛋白食となりすぎることはありませんが、ステーキ等の肉類の取り過ぎやアミノ酸が含まれたサプリメント等に注意しましょう。
日中のレボドパの効果をしっかりと得るために、朝や昼の蛋白摂取量は少な目とし、夕食では多く摂取するといった方法もあります。
レボドパとビタミンB6の関係についてはこちらです。