緑内障の治療で使用される点眼薬は数多くあり、炭酸脱水酵素阻害薬はそのうちの一つです。
炭酸脱水酵素阻害薬には以下の種類があります。
・ドルゾラミド(トルソプト点眼液)
・ブリンゾラミド(エイゾプト点眼液)
ドルゾラミド(トルソプト点眼液)
規格:0.5%、1%
適応症:以下の疾患で、他の緑内障治療薬で効果不十分な場合の併用療法
緑内障、高眼圧症
用法用量:0.5%製剤を1日3回
効果不十分 1%製剤を1日3回
主な副作用:刺激症状(しみる、流涙、疼痛)、痒み、眼のかすみ、充血
防腐剤:あり(ベンザルコニウム)
点眼後自動車運転:記載なし
使用前:振る必要なし
配合剤:コソプト配合点眼液(ドルゾラミド・チモロールマレイン酸)
ブリンゾラミド(エイゾプト懸濁性点眼液)
規格:1%
適応症:次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合
緑内障、高眼圧症
用法用量:1日2回
効果不十分 1日3回
主な副作用:刺激症状(しみる、流涙、疼痛)、痒み、眼のかすみ、べとつき感
味覚異常(苦味)
防腐剤:あり(ベンザルコニウム)
点眼後自動車運転:注意するよう記載あり
使用前:よく振ってから使用
配合剤:アイラミド配合懸濁性点眼液(ブリモニジン・ブリンゾラミド)
アゾルガ配合懸濁性点眼液(ブリンゾラミド・チモロールマレイン酸)
どちらも全身性の副作用は少なく、刺激感やかすみ眼など局所的な症状が主な副作用です。
ブリンゾラミド(エイゾプト懸濁性点眼液)は懸濁性の為、使用前によく振ってから使用する必要があります。
通常の使用回数はドルゾラミド(トルソプト点眼液)の1日3回に対して、ブリンゾラミド(エイゾプト懸濁性点眼液)の方が1日2回と少ないです。
これはブリンゾラミドの方がドルゾラミドよりも炭酸脱水酵素に対する結合能が高いためです。
治療効果に関してはどちらもほぼ同等と考えられています。
炭酸脱水酵素阻害薬はプロスタグランジン関連薬によるまぶたの黒ずみの様な副作用や、β受容体遮断薬の様な全身性の副作用はなく、比較的副作用の少ない薬剤でそういった面では使いやすい薬剤と言われています。
ですが、プロスタグランジン関連薬やβ遮断薬よりも眼圧効果作用は劣ると言われており、単剤で使用される頻度は低く、合剤で一緒に使用される場合が多いです。
配合点眼薬
コソプト配合点眼液 ドルゾラミド:炭酸脱水酵素阻害
チモロールマレイン酸:β遮断薬
アイラミド配合懸濁性点眼液 ブリモニジン:α2作動薬
ブリンゾラミド:炭酸脱水酵素阻害薬
アゾルガ配合懸濁性点眼液 ブリンゾラミド:炭酸脱水素酵素阻害薬
チモロールマレイン酸:β遮断薬