ご存じの方が多いかと思いますが、今回はフロリードゲルの使い方についてまとめてみました。
フロリードゲル経口用2%の有効成分はミコナゾールでイミダゾール系抗真菌薬です。
代表的な真菌であるカンジダに効果があります。
C-14α-ラノステロール脱メチル酵素を阻害することで、真菌の細胞膜生合成を妨げて殺菌効果を示します。
カンジダ属による以下の疾患に効果があります。
・口腔カンジダ症
・食道カンジダ症
口腔カンジダ症ではフロリードゲル10~20g(2~4本)を1日4回(毎食後と寝る前)に分けて、口腔内にまんべんなく塗布します。範囲が広い場合は、口腔内にできるだけ長く含んだ後飲み込みます。
食道カンジダ症ではフロリードゲル10~20g(2~4本)を1日4回(毎食後と寝る前)に分けて、口腔内に含んだ後少量ずつ飲み込みます。
では効果的な使い方をみていきましょう。
まず、うがいを行い口腔内を清潔にします。
そしてキャップの尖った部分でチューブに穴を開けます。
薬の含み方ですが、直接チューブから口に含んでも構いませんし、きれいなスプーンで口に入れることもできます。
手をよく洗えば、指先に薬を出して塗ることもできます。
口腔カンジダの場合ですが、
薬を口に含んだら、舌でまんべんなく薬を塗り広げます。
塗り広げた後はできるだけ長くこの状態を保ってから、飲み込むようにします。
直接病巣部へ薬剤が接触することにより効果を示すので、効果がしっかりと得られるように、できるだけ長く薬を患部へ接触するようにします。
水と一緒に服用したりせず、また使用後すぐにうがいや歯磨き、飲食をしたりしないようにします。
少なくとも一時間くらいはうがい等を行わないようにしましょう。
入れ歯の方は、まず入れ歯を外した状態でフロリードゲルを同様に塗布し、洗浄した入れ歯にもフロリードゲルを塗布してから装着するようにしてください。
添付文書には以下のように記載されています。
「義歯装着患者では十分な効果が得られにくい場合があるので、よく義歯を洗浄し、義歯にも塗布させること。」
次に食道カンジダ症ですが、
口腔カンジダ症と同様の方法で口に薬を含み、5分程度含んだら少しずつ飲み込んでいきます。
やはり飲み込んだ後は、うがいや飲食を一時間くらいは控えるようにします。
できるだけ長く口に含むこと、使用後はうがいや飲食を控えることが重要ですね。
その他の注意点などです。
ミコナゾール(フロリードゲル)は相互作用が非常に多い薬です。
CYP3A、2C19で代謝される薬剤の代謝を阻害して血中濃度を上昇させてしまいます。
代表的な併用禁忌の薬剤は以下のものがあります。
併用禁忌
・ワルファリンカリウム(ワーファリン)
・ピモジド(オーラップ)
・シンバスタチン(リポバス)
・アゼルにジピン(カルブロック)
・ニソルジピン(バイミカード)
・ブロナンセリン(ロナセン)
・エルゴタミン酒石酸塩(クリアミン配合錠)
・ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット)
・リーバロキサバン(イグザレルト)
・アスナプレビル(スンベプラ)
・ロミタピドメシル酸塩(ジャクスタピッド)
この他にも併用注意となっている薬剤も多数あります。
フロリードゲルを飲み込まずにはき出しても相互作用を起こした報告がされており、飲み込まない場合でも併用禁忌の薬剤とは併用しないようにします。
ほとんど体内に吸収されませんので副作用は少ないですが、吐き気や食欲不振等の消化器症状が報告されています。
味はわずかに甘い味がするようです。
外用薬ではなく内服薬ですので、調剤料も内服薬として算定します。
以上、フロリードゲルについてまとめさせていただきました。
消化管におけるカンジダ異常増殖に使用されるファンギゾンシロップについても、こちらにまとめています。
まとめ
・フロリードゲルを口に含んだら、舌でまんべんなく薬を塗り広げる
・できるだけ長く口に含むようにする
・使用後はうがいや飲食を控える