オミデネパグ イソプロピル(エイベリス点眼液)は緑内障・高眼圧症の治療で使用される点眼薬です。
EP2受容体作動薬と呼ばれる分類に属します。
EP2受容体を選択的に刺激して主流出路および副流出路の両方から房水排泄を促進します。
プロスタグランジン関連薬に近い薬剤なのですが、作用する受容体の違いから、プロスタグランジン関連薬で見られていた、まつげの伸長やまぶたの黒ずみなど、眼の周囲への副作用が生じないと言われています。
では、オミデネパグ イソプロピル(エイベリス点眼液)の特徴的な副作用や注意点を見ていきましょう。
副作用
副作用で最も多いものは充血です。
この充血は次第に消えていくものですが、気になる場合は寝る前に使用します。
(1日1回の点眼はいつ使用しても眼圧降下作用に差は無いと言われています)
一過性のものですが、治らなければ申し出るように指導します。
また点眼後、一時的に霧視、羞明(まぶしく感じる状態)が生じる場合があるため、その症状が回復するまでは機械類の操作や自動車運転等に従事しないようにとの記載があります。
禁忌
無水晶体眼又は眼内レンズ挿入眼の患者には禁忌となっています。
理由は、黄斑浮腫が発現する可能性が高いためとされています。
「無水晶体眼又は眼内レンズ挿入眼」とは白内障の手術を受けた眼のことです。
白内障手術では濁った水晶体を取り除き、水晶体の代わりに眼内レンズを挿入します。(眼内レンズ挿入眼)
何らかの理由で眼内レンズの挿入ができない方には無水晶体のままで、その状態ではピント調節機能が失われてしまうためメガネ等で矯正します。(無水晶体眼)
そのため、白内障の手術を既に受けた方には使用することができず、またこれから白内障の手術を受ける予定がある方にも使いにくい薬剤となります。
また、白内障の手術を片目だけ受けて、手術を受けていない方の眼にエイベリス点眼を使うことも禁忌に該当します。
タフルプロスト(タプロス点眼液)とは併用禁忌となっています。
海外の臨床試験で中等度以上の羞明、虹彩炎等の眼炎症が高頻度に認められたためです。
保管方法
保管は光、凍結を避けて2~8℃の冷所で行います。
開封後は1ヶ月以内であれば遮光袋に入れて室温(1~30℃)で保管することができます。