ジクトルテープ(有効成分:ジクロフェナクナトリウム)は経皮吸収型の持続性疼痛治療剤になります。
ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)の貼付剤になります。
適応症
・各種がんにおける鎮痛
・腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎
用法用量
・各種がんにおける鎮痛
1日1回 2枚 1日3枚まで
胸部、腹部、上腕部、背部、腰部または大腿部に貼付し、1日(約24時間毎)に貼り替える
・腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎
1日1回 1枚または2枚
胸部、腹部、上腕部、背部、腰部または大腿部に貼付し、1日(約24時間毎)に貼り替える
貼る場所は、胸、お腹、上腕、背中、腰または太ももに貼り、貼り替える時は皮膚への負担を減らすため、前回とは違う場所に貼付します。
ジクトルテープは貼付剤ですが、湿布薬とは異なり、全身作用型の薬剤となります。
貼った所の皮膚から薬の成分がゆっくりと吸収され血管内に取り込まれると、血流に乗って全身へと運ばれます。
これによりジクロフェナクを内服したのと同じように、全身の鎮痛効果が得られます。
ジクロフェナクの貼付剤では、今までにジクロフェナクテープ(ボルタレンテープ)がありましたが、こちらは1枚の含有量が15mgと30mgでした。
こちらは通常の湿布薬と同じように局所作用型の貼付剤となります。
ジクトルテープは1枚のジクロフェナク含有量が75mgとなっており、含有量を増やすことで血中へ移行する量を増やすとともに、血中への移行性も高めている、全身作用型の貼付剤です。
ジクトルテープ3枚(225mg)/日と
ボルタレン錠100mg/日
のAUCが同程度になることから、ジクトルテープの上限は3枚(225mg)となりました。
優れている点
・貼るだけで内服したのと同じ効果が得られる
内服が困難な方にも使用することができます。
・1日1回の使用で安定した効果
寝ている間なども効果が切れることなく安定した鎮痛効果が得られます。
・胃腸障害が少ない
内服薬に比べて胃腸障害が生じにくいと言われています。
注意点
・痛む場所ではなく、指示された部位に貼付する
通常の湿布薬とは違うため、痛む場所に貼るのではなく、血流が豊富で安定して薬が吸収される場所(胸、お腹、上腕、背中、腰または太もも)に貼る必要があります。
・貼る場所を毎回変える
かぶれを防ぐため、貼る場所は毎回変更するように指導します。
・胃腸障害が起こらないわけではない
内服薬に比べて胃腸障害は生じにくいですが、起こらないわけではなく、胃潰瘍の方には禁忌となっています。
・腎障害、肝障害
内服薬と同様に、重篤な腎障害・肝障害がある方には禁忌となっています。
腎機能障害、肝機能障害、またはその既往がある方にも注意が必要です。