プロスタグランジン(PG)点眼薬は使用頻度の高い緑内障治療の代表的な薬剤です。
プロスタグランジン関連薬は、副流出路(またはぶどう膜強膜流出路とも言います)からの房水排泄を促進させることで眼圧を低下させます。
・眼圧を下げる効果が高い
・1日1回の使用で済むものがほとんど
・全身性の副作用が少ない
といった特徴があり、第一選択でも使われることの多い薬剤ですが、どういった副作用や注意点があるのかを見ていきましょう。
代表的な副作用としては以下のようなものがあります。
・充血
・睫毛(まつげ)の多毛、伸長
・虹彩色素沈着
・眼瞼色素沈着
・上眼瞼溝深化
このように、局所的な副作用が中心となります。
充血
点眼開始直後から見られる副作用ですが、徐々に和らいでくることが多いです
睫毛(まつげ)の多毛、伸長
まつげが太くなり本数も増えることで、まつげが濃くなり外観の印象も変わります。
点眼薬がまつげに付着することが原因で生じます。
プロスタグランジン関連薬は毛周期の成長期を長くする働きがあります。
濡れたタオルやティッシュ等で拭き取ったり、洗顔することで防げます。
中止によりある程度、元に戻ると言われています。
虹彩色素沈着
虹彩と呼ばれる、黒目の中心にある瞳孔周囲の茶色い部分の色が濃くなってきます。
プロスタグランジン関連薬を使用することで、虹彩のメラニン色素が増加するために生じます。
使用を中止しても元に戻りにくいことが報告されています。
片方だけ点眼する場合は左右で色調に変化が生じてしまうため、開始前に十分説明をしておく必要があります。
眼瞼色素沈着
まぶたなど眼の周囲の皮膚が黒ずんでしまう場合があります。
虹彩の色素沈着と同様に、まぶたのメラニン色素を増やしてしまうことで生じます。
対策も同じように、濡れたタオルやティッシュ等で拭き取ったり、洗顔することで防げます。
中止によりある程度、元に戻ると言われています。
上眼瞼溝深化
上まぶたの辺りがくぼんでくる副作用です。
まぶたの奥の脂肪生成が抑制されることで生じると言われています。
中止をすればある程度、元に戻ると言われています。
効果が高く、使いやすい点眼薬ですが、こういった副作用に注意しながら使用を継続するようにしましょう。