薬剤師いんふぉ

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デノシン(ガンシクロビル)の調製法

デノシン(一般名:ガンシクロビル)は抗サイトメガロウイルス化学療法剤です。

 

 

  適応症

下記におけるサイトメガロウイルス感染症

後天性免疫不全症候群

・臓器移植(造血幹細胞移植も含む)

・悪性腫瘍

 

 

 

  用法用量

初期:1回5mg/kg 1日2回 12時間毎に1時間以上かけて点滴静注

維持:後天性免疫不全症候群又は免疫抑制剤投与中で再発の可能性が高い場合は維持投与に移行する。

   1日6mg/kgを週5日又は、1日5mg/kgを週に7日、1時間以上駆けて点滴静注する。

 

 

 

  調製法

1バイアル(500mg)を注射用水10mlに溶解後、

投与量に相当する量を通常1バイアルあたり100mlの補液で希釈する。

希釈後の補液のデノシン濃度は10mg/mlを超えないようにする。

 

 

 

 

  調製時の注意点

デノシンはpH11のアルカリ性の薬剤であり、他剤との混合で変色、沈殿が生じるおそれがあります。

配合変化が起こりやすいため、他剤(希釈用の補液は除く)との混合は避けるようにします。

補液による希釈でも結晶が析出するおそれがあり、希釈用の補液では、生理食塩水、5%ブドウ糖液、リンゲル液、乳酸リンゲル液を使用することが望ましいです。

希釈後の補液のデノシン濃度は10mg/mlを超えていないかにも注意します。

 

側管から投与する場合はメインを止めて、前後をフラッシュする必要があります。

 

また、強アルカリ性であるため、点滴部位の痛みや静脈炎が生じてしまう場合があります。

薬液が速やかに希釈分散する十分な血流のある静脈を選択して投与します。

 

 

 

 

  サイトメガロウイルスとは

サイトメガロウイルス(CMV)はヘルペスウイルスの一種です。

多くの人では感染しても大きな問題とはなりませんが、免疫力が低下している方ですと重篤化してしまうおそれがあります。

 

治療や予防には抗サイトメガロウイルスウイルス薬(デノシン、バリキサ、ホスカビル、プレバイミスなど)が使用されます。

 

 

 

 

  作用機序

ガンシクロビルはウイルスのプロテインキナーゼ(UL97)により活性化されます。

プロテインキナーゼ:タンパク質分子にリン酸基を付加する酵素

 

この活性化したガンシクロビルをウイルスのDNAポリメラーゼが誤って取り込むことで、DNAの延長が停止し、DNAの複製を阻害します。

 

 

 

 

  腎機能に応じた投与量の目安

腎機能が低下した方では、血中半減期の延長とクリアランスの低下が報告されています。

下記の表は、腎機能に応じた投与量の目安になります。

クレアチニン
リアランス値
(mL/min)

初期治療

維持治療

用量
(mg/kg)

投与間隔
(時間)

用量
(mg/kg)

投与間隔
(時間)

≧70

5.0

12

5.0

24

50~69

2.5

12

2.5

24

25~49

2.5

24

1.25

24

10~24

1.25

24

0.625

24

<10

1.25

透析後
週3回

0.625

透析後
週3回

 

 

 

 

  デノシンによる骨髄抑制

デノシンの副作用に骨髄抑制があります。

好中球や血小板などが減少してしまう可能性があるため、血液検査は頻繁に行うようにします。

好中球数500m㎥未満又は血小板数25000m㎥未満等、著しい骨髄抑制が認められる患者には投与することができません。

(これより軽度な骨髄抑制の場合は減量して対処します)

 

 

 

 

 

 

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