薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

フェジン注のブドウ糖希釈について

フェジン(一般名:含糖酸化鉄)は静脈内注射用鉄剤です。

 

 

  適応症

鉄欠乏性貧血

 

 

  用法用量

1日40〜120mg(2〜6mL)を2分以上かけて徐々に静脈内注射する。

症状に応じて適宜増減する。

経口鉄剤の投与が困難又は不適当な場合に限り使用する。

 

1管2ml中に鉄として40mgを含む

 

 

 

  ブドウ糖での希釈

フェジンを希釈する際は10~20%のブドウ糖注射液で5~10倍にします。

 

フェジンはpH9.0~10.0で安定しているコロイド製剤です。

ブドウ糖以外の製剤で希釈をすると、pHの変化や電解質の影響によりコロイド状態が不安定となり、遊離した鉄イオンが大量に生じてしまうおそれがあります。

 

遊離した鉄イオンは発熱や悪心、嘔吐の原因となってしまう場合があります。

 

このような理由から、電解質輸液である生理食塩水などは希釈に使用することができません。

 

 

 

 

  側管投与でのルートフラッシュについて

他剤と配合されると、フェジンのコロイドが破壊されたり、イオン化が促進されるおそれがあります。

また、点滴静注も希釈する溶媒の量が増えて、投与時間が長くなることで、コロイドが壊れてしまいやすくなります。

 

そのため、フェジンは単独で静脈内注射し、他剤と配合したり点滴静注は行わないようにします。

 

側管から投与する場合は、配合変化を防ぐために、主管を止めて、側管からフェジンの投与前後に10~20%のブドウ糖注射液で洗浄(フラッシュ)を行います。

 

 

 

 

 

 

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