ボリコナゾール(ブイフェンド)はトリアゾール系抗真菌薬であり、深在性真菌症の治療に使用されています。
適応症
下記の重症又は難治性真菌感染症
・侵襲性アスペルギルス症、肺アスペルギローマ、慢性壊死性肺アスペルギルス症
・カンジダ血症、食道カンジダ症、カンジダ腹膜炎、気管支・肺カンジダ症
・クリプトコックス髄膜炎、肺クリプトコックス症
・フサリウム症
・スケドスポリウム症
造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防
用法用量
成人(体重40kg以上)
初日は1回300mgを1日2回、2日目以降は1回150mg又は1回200mgを1日2回食間に投与。
なお、患者の状態に応じて、又は効果不十分の場合には、増量できるが、初日投与量の上限は1回400mg1日2回、2日目以降投与量の上限は1回300mg1日2回までとする。
成人(体重40kg未満)
初日は1回150mgを1日2回、2日目以降は1回100mgを1日2回食間に投与。なお、患者の状態に応じて、又は効果不十分の場合には2日目以降の投与量を1回150mg1日2回まで増量できる。
小児(2歳以上12歳未満及び12歳以上で体重50kg未満)
ボリコナゾール注射剤による投与を行った後、通常、ボリコナゾールとして1回9mg/kgを1日2回食間に投与。
なお、患者の状態に応じて、又は効果不十分の場合には1mg/kgずつ増量し、忍容性が不十分の場合には1mg/kgずつ減量する(最大投与量として350mgを用いた場合は50mgずつ減量する)。
ただし、1回350mg1日2回を上限とする。
小児(12歳以上で体重50kg以上)
ボリコナゾール注射剤による投与を行った後、通常、ボリコナゾールとして1回200mgを1日2回食間に投与。
なお、患者の状態に応じて、又は効果不十分の場合には1回300mg1日2回まで増量できる。
作用機序
ボリコナゾールはトリアゾール系抗真菌薬に分類されます。
ボリコナゾールは真菌細胞膜の主要構成成分であるエルゴステロールの合成を阻害して抗真菌作用を発揮します。
エルゴステロールの前駆体であるラノステロールまたはエブリコールの14α位の脱メチル化に関与する酵素(C-14α-ラノステロール脱メチル酵素)を阻害して、エルゴステロールの合成を阻害しています。
食間服用について
高脂肪食を摂った直後にボリコナゾールを服用すると、Cmax、AUCは34%および24%低下し、Tmaxは1.4時間延長されたとのデータが得られました。
このように食後の服用では吸収が低下してしまうため、食間(食後2時間後)に服用します。
ボリコナゾールのその他の注意点についてはこちらです。
まとめ
・ボリコナゾールはトリアゾール系抗真菌薬であり、深在性真菌症の治療に使用されている
・食後の服用では吸収が低下してしまうため、食間(食後2時間後)に服用する