薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

ロンサーフ配合錠(TAS-102)の用法用量

ロンサーフ配合錠(TAS-102:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)は経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍薬です。

 

 

 

 

適応症

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌

 

 

用法用量

初回投与量(1回量)を体表面積に合わせて次の基準量とし(トリフルリジンとして約35mg/m2/回)、朝食後及び夕食後の1日2回、5日間連続経口投与したのち2日間休薬する。

これを2回繰り返したのち14日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。

 
体表面積(m2  初回基準量
(トリフルリジン相当量)
 
1.07未満  35mg/回(70mg/日) 
1.07以上〜1.23未満  40mg/回(80mg/日) 
1.23以上〜1.38未満  45mg/回(90mg/日) 
1.38以上〜1.53未満  50mg/回(100mg/日) 
1.53以上〜1.69未満  55mg/回(110mg/日) 
1.69以上〜1.84未満  60mg/回(120mg/日) 
1.84以上〜1.99未満  65mg/回(130mg/日) 
1.99以上〜2.15未満  70mg/回(140mg/日) 
2.15以上  75mg/回(150mg/日) 

 

 

  1コース(28日間)

1~7日目    ロンサーフ5日間服用→2日間休薬

8~14日目   ロンサーフ5日間服用→2日間休薬

15~28日目  14日間休薬

 →次コースへ

 

50mg/日を服用する場合は、朝食後に20mgを、夕食後に30mgを服用することとされています。

 

食後服用

ロンサーフを空腹時に服用すると、食後に服用した場合と比べて有効成分であるトリフルリジン(FTD)のCmaxの上昇が認められることから、空腹時投与を避けることとされています。

 

 

減量基準

前コース(休薬期間を含む)中に、「減量基準」に該当する有害事象が発現した場合には、ロンサーフの投与再開時において、コース単位で1日単位量として10mg/日単位で減量します。

ただし、最低投与量は30mg/日までとされています。

 

好中球数

  500/mm3未満 

血小板数

  50,000/mm3未満

 

投与開始基準
投与再開基準

各コース開始時、「投与開始基準」を満たさない場合は投与をしません。

また、「休薬基準」に該当する有害事象が発現した場合は休薬し、「投与再開基準」まで回復を待って投与を再開します。

 

血色素量

  8.0g/dL以上

好中球数

  1,500/mm3以上 

血小板数

  75,000/mm3以上

ビリルビン

  1.5mg/dL以下

AST(GOT)、ALT(GPT)

  施設基準値上限の2.5倍(肝転移症例では5倍)以下

クレアチニン

  1.5mg/dL以下

末梢神経障害

  Grade 2以下

非血液毒性

  Grade 1以下(脱毛、味覚異常、色素沈着、原疾患に伴う症状は除く)

 

休薬基準

血色素量

  7.0g/dL未満

好中球数

  1,000/mm3未満

血小板数

  50,000/mm3未満

ビリルビン

  2.0mg/dLを超える

AST(GOT)、ALT(GPT)

  施設基準値上限の2.5倍(肝転移症例では5倍)を超える

クレアチニン

  1.5mg/dLを超える

末梢神経障害

  Grade 3以上

非血液毒性
Grade 3以上

 

 ロンサーフ配合錠の作用機序についてはこちらです。

yakuzaishi-info.hateblo.jp

 

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