薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

ルビプロストン(アミティーザ)の作用機序と悪心について

ルビプロストン(アミティーザ)は便秘治療に使用される、クロライドチャネルアクチベーターです。

 

  適応症

慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)

 

  用法用量

1回24μgを1日2回,朝食後及び夕食後に投与する。

なお,症状により適宜減量する.

 

 

ルビプロストンはクロライドチャネルアクチベーターと呼ばれる慢性便秘症治療薬です。

 

ルビプロストンが服用後、小腸に到達すると、小腸粘膜上皮細胞のクラロイドチャネル(ClC2-)を活性化します。

腸管への水分分泌は、このクラロイドチャネルが関与しています。

 

クラロイドチャネルが活性化されると、クロライドイオン(Cl-:塩化物イオン)が細胞内から小腸内へ分泌されます。

すると、それに引っ張られてナトリウムイオン(Na+)も小腸内に移動してきます。

 

ナトリウムと水は一緒に動く性質があり、これにより水分も小腸内へ分泌され、腸管内の水分量が増えることで、便の水分含有量が増えて自然な排便が期待できます。

 

 

ルビプロストンの副作用では、下痢(30%)の他に、悪心(23%)の報告も比較的多くあります。

 

この悪心や吐き気といった副作用を軽減するために、服用は食後となっています。

空腹での服用は悪心が生じやすくなってしまいますので、食後に服用をするようにします。

また、投与初期に悪心の症状が出やすく、服用を継続しているうちに軽快してくることもあると言われています。

 

常用量を使うのではなく、1日1回にしたり、12μg製剤もありますのでそちらを使用し、様子を見ながら使用しても良いでしょう。

 

大腸刺激性下剤とは異なり、長期間服用しても耐性が生じる心配はありません。

血液中の電解質濃度への影響も少なく、上記の悪心や下痢の問題をクリアできれば、長期投与の際、安全性の高い薬剤と考えられています。

 

動物実験で胎児への影響が報告されており、妊娠中の女性は服用することができません。

服用中は妊娠をしないように指導もします。

 

また、動物実験で乳汁中へルビプロストンの移行が確認されており、授乳も避けた方が良い薬剤です。

 

 

  まとめ

・ルビプロストンはクラロイドチャネルを活性化することで、腸管内への水分分泌を促進する

・飲み始めの時期に悪心の副作用が生じやすい

・悪心の副作用を軽減するため、空腹での服用は避け、食後に服用する

・長期服用しても耐性が生じにくい

・妊娠中の女性は服用できない

 

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