薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

プロトピック軟膏(タクロリムス)と日光対策

プロトピック軟膏(有効成分:タクロリムス)アトピー性皮膚炎の治療に使用される軟膏剤です。

 

ステロイド外用薬と並んでアトピー性皮膚炎の治療に使用されています。

有効成分のタクロリムスは免疫抑制薬に分類され、ステロイドとは異なる機序のお薬です。 

yakuzaishi-info.hateblo.jp

 

皮膚刺激感についてまとめたときにも述べましたが、使用中は日光を避けるようにします。

yakuzaishi-info.hateblo.jp

 

使用後、日光に当たるとほてりやヒリヒリ感などの皮膚刺激感が増してしまうおそれがあるからです。

 

それともう1つの理由として、皮膚癌の可能性が否定できないからです。

皮膚癌を発症するマウスでの実験で、プロトピック軟膏を塗ったマウスに紫外線を当てた方が、皮膚癌の発生が早かったことが報告されています。

現時点では、プロトピック軟膏を長期間使用した、人での皮膚癌の増加は認められてはいません。

肌の調子が悪い方にとって、日光は増悪する因子になるので、避けた方が良いのは間違いないです。

日光対策をしっかりと行ってもらうようにしましょう。

 

添付文書には

「本剤使用時は日光への曝露を最小限にとどめること。また、日焼けランプ/紫外線ランプの使用を避けること。」

「本剤使用中にPUVA療法等の紫外線療法を行わないこと。」

と記載されています。

 

アトピー性皮膚炎の治療に紫外線療法がありますが、プロトピック軟膏を使用している間は、この治療は行えません。

 

日常生活で、買い物や通勤通学程度の外出は問題ありません。

海水浴やスキーなどのレジャーで強い紫外線を、プロトピック軟膏を使用した場所に長時間さらさないように注意します。

行事などでどうしても長時間日光に当たるのを避けられない場合は、使用を控えるようにしましょう。

 

帽子や日傘で浴びる紫外線の量を減らすようにしましょう。

日焼け止めも一緒に使用することが可能です。

外にいる時間が長くなりそうな時は日焼け止めも併用しましょう。

敏感肌の方向けの日焼け止めも市販されています。

 

 

  まとめ

・皮膚癌の可能性が否定できないため、長時間強い日光を浴びるのは避ける

・帽子や日傘、日焼け止め等で紫外線対策をする

 

yakuzaishi-info.hateblo.jp