ビラスチン(ビラノア)は第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬でありアレルギー性疾患に使用されています。
ビラスチンはヒスタミンがH1受容体に結合するのを阻害し、鼻水やくしゃみ、痒みなどのアレルギー反応を抑えます。
また、肥満細胞からケミカルメディエーター(化学伝達物質)が遊離するのを抑制する作用も持っています。
適応症は
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
です。
比較的即効性で、効果は長続きすると言われています。
用法は
通常、成人にはビラスチンとして1回20mgを1日1回空腹時に経口投与する
となっています。
1日1回の服用でよいのですが、空腹時服用に注意が必要です。
その理由ですが、
ビラスチンは食事により血漿中濃度推移が影響を受けバイオアベイラビリティーが低下するため空腹時投与となっています。
ビラスチン20mgを投与した際、空腹時投与に比べて食後投与では、最高血漿中濃度(Cmax)が約60%、血漿中濃度時間曲線下面積(AUC)が約40%低下するそうです。
そのため、バイオアベイラビリティーが高い空腹時に服用するよう設定されています。
「空腹時」服用についてですが、食事の1時間前から食後2時間を避けて服用するようにします。
お腹がすいているという感覚がなくても、胃の中に食べ物が入っていなければ空腹時服用になります。
1日1回空腹時服用を遵守すれば、生活習慣や症状が出る時間帯を考慮して服用することができます。
例えば、
・起床時 日中症状が出て困る方、朝食を食べる習慣の無い方
・夕方 仕事帰りや入浴後など、夕方から夜間にかけて症状の出る方
・就寝前 就寝中や朝起きてすぐの症状で困る方
このように服用タイミングは最適なものを選択すると良いです。
ビラスチンは脂溶性が低く中枢へ移行しにくいため、他の同系統の薬剤と比べて眠気の副作用が少ないです。
眠気:0.6%、口渇:0.3%
自動車運転能に及ぼす影響はプラセボと有意な差が認められなかったため、車の運転に関する記載がない薬剤となっています。
車の運転に関する記載がない薬剤は
・ビラスチン(ビラノア)
・フェキソフェナジン(アレグラ)
・ロラタジン(クラリチン)
・デザレックス(デスロラタジン)
・ディレグラ(フェキソフェナジン/プソイドエフェドリン)
となっています。
いずれも眠気の副作用が生じにくいと言われている抗アレルギー剤です。
まとめ
・ビラスチン(ビラノア)は1日1回空腹時に服用する薬剤である
・食後に服用すると、Cmaxが約60%、AUCが約40%低下してしまう
・空腹時服用では、食事の1時間前から食後2時間を避けて服用する