ルネスタ(一般名:エスゾピクロン)は非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に分類される薬剤です。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はベンゾジアゼピン系睡眠薬と同じGABAA受容体へ作用し、Cl-(塩化物イオン)が細胞内に流入し神経活動が抑制され眠りやすくなります。
・アモバン(一般名:ゾピクロン)
の3種類がありますが、ルネスタ(一般名:エスゾピクロン)が一番新しい薬剤(2012年発売)となります。
適応症
・不眠症
用法用量
成人1回2mg、1回3mgまで
高齢者1回1mg、1回2mgまで
ゾピクロンはラセミ体(光学異性体のR体とS体が等量含まれたもの)ですが、R体とS体のうち薬効に関わるS体のみからなるのがエスゾピクロンです。
簡単に言うと、ゾピクロンを改良したものがエスゾピクロンになります。
効果の中心となるS体のみとなったことで、依存性や耐性も生じにくくなり、ゾピクロンは向精神薬に指定されていますが、エスゾピクロンは指定されておらず投与日数の制限もありません。
エスゾピクロンもゾピクロンと同様に苦味の副作用がありますが、エスゾピクロンの方が苦味は少ないと言われています。
薬効を発揮する成分だけに絞っているので、服用する量が少なくて済むためです。
(ゾピクロン、エスゾピクロンの苦味は、吸収された薬の成分が唾液中に出てくるからと考えられています)
半減期はエスゾピクロンの方がゾピクロンよりも長く、途中で目が覚めてしまう中途覚醒にもエスゾピクロンの方が向いていると言えます。
(ですが半減期の長さではどちらも超短時間型に分類されます)
前述したように、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬になりますので、GABA受容体のω1に対する選択性が高く、筋弛緩作用が生じにくく高齢者にも使用しやすい薬剤です。
ゾピクロンとエスゾピクロンの換算比ですが、日本精神科評価尺度研究会によりますと
ゾピクロン7.5mg=エスゾピクロン2.5mg=ゾルピデム10mg
とされています。