エピペン注射液(一般名:アドレナリン)はアナフィラキシー補助治療薬です。
アナフィラキシー症状があらわれた際、エピペンを使用することで治療を受けるまでの間に症状を緩和することができます。
規格
エピペン注射液 0.15mg 0.3mg
適応症
蜂毒、食物及び薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療(アナフィラキシーの既往のある人またはアナフィラキシーを発現する危険性の高い人に限る)
用法用量
推奨用量:0.01mg/kg
患者の体重を考慮し、0.15mg又は0.3mgを筋注
作用機序
エピペンにはアドレナリンという副腎ホルモンの一種が含まれています。
アドレナリンには
心臓の働きを高める強心作用
末梢の血管を収縮させて血圧を上昇
気管支平滑筋を弛緩させて呼吸量の増加
肥満細胞から炎症性物質の遊離抑制作用
などの作用があります。
アナフィラキシーについて
アレルゲン等の侵入により、複数臓器にわたり全身性にアレルギー症状が生じ、生命に危機を与える過敏反応がアナフィラキシーです。
血圧低下や意識障害がみられるものをアナフィラキシーショックと言います。
アナフィラキシーの原因となる物質には、食品(ピーナッツ、そば、卵等)や虫刺され(ハチ、ムカデ等)、薬(抗生物質、NSAIDs等)などがあります。
アナフィラキシーの症状では
皮膚症状:蕁麻疹、血管性浮腫
粘膜症状:目の充血、くしゃみ、鼻水、鼻づまり
循環器症状:血圧低下、動悸、不整脈
消化器症状:悪心、嘔吐、下痢
などがあります。
原因となるアレルゲンの侵入後すぐに発症して、死に至る危険もあります。
エピペンの使用方法
アナフィラキシーが起こったとき、まずは救急車を呼び、到着するまでの間、エピペンをすぐに使用します。
エピペンをケースから取り出し、青色の安全キャップを外せば注射を行うことができます。
注射する場所は「太ももの前外側」です。
それ以外の場所には注射できません。
緊急の場合は衣服の上からでも注射することができます。
オレンジ色のニードルカバーの先端を太もも前外側に垂直に当てます。
「カチッ」と音がするまで強く押し当てます。
すぐに抜かずに、押し当てたまま数秒間待ちます。
注射ができていると、ニードルカバーが伸びた状態となります。
注射後は医療機関を受診して、エピペンを使用したことをお伝えして治療を受けるようにします。
エピペンの使用期限
エピペンには使用期限があります。
アプリ、ウェブサイト、ハガキのいずれかで登録を行うと、使用期限の約1ヶ月前に案内が届きます。
使用期限までに医療機関を受診すれば、新しいエピペンを処方してもらうことができ、期限切れを防ぐことができます。