フィブラストスプレー(一般名:トラフェルミン)は褥瘡・皮膚潰瘍治療剤です。
規格
フィブラストスプレー250(1バイアル中にトラフェルミン250μg)
フィブラストスプレー500(1バイアル中にトラフェルミン500μg)
適応症
褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)
用法用量
添付溶解液で用時溶解し、100μg/mlとする。
潰瘍面を清拭後、専用噴霧容器を用いて1日1回噴霧する。
潰瘍の最大径が6cm以内の場合は、潰瘍面から約5cm離して5噴霧(トラフェルミンとして30μg)する。
潰瘍の最大径が6cmを超える場合は、薬剤が同一潰瘍面に5噴霧されるよう、潰瘍面から約5cm離して噴霧するする操作を繰り返す。
作用機序
フィブラストスプレーの効果を簡単に言うと、傷の治りが早くなります。
フィブラストスプレーの有効成分であるトラフェルミンは繊維芽細胞増殖因子(FGF:fibroblast grows factor)です。
血管内皮細胞のFGF受容体に結合することで、血管内皮細胞の増殖、血管内皮細胞の遊走、血管腔の形成が促進されて、血管新生作用が発揮されます。
新しい血管が産生されることで、肉芽形成が促進されて創傷の治りが良くなります。
また、繊維芽細胞のFGF受容体と結合することで、繊維芽細胞の増殖が促進されます。
繊維芽細胞は結合組織を構成する細胞の一種であり、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった肌にとって必要な成分を合成しています。
この繊維芽細胞が増えることで、肉芽形成が促進されます。
患部に良性肉芽がみえはじめてから上皮化完了するまでの期間が、最も有効な投与時期であると言われています。
このように、肉芽形成を促進して、傷の治りを早くするフィブラストスプレーですが、治りを早くするだけでなく、傷を目立ちにくくする効果もあります。
フィブラストスプレーを使用すると、軽快後の瘢痕組織が柔らかく、色素沈着が少ない状態となり、瘢痕の状態を良好にしてくれます。
使用方法や注意点についてはこちらにまとめています。