薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

デカドロンエリキシルのアルコール量

デカドロンエリキシル(一般名:デキサメタゾン)は副腎皮質ホルモン製剤です。

 

デカドロンにはエリキシル剤があり、これにはエタノールが含まれています。

 

 

  エリキシル剤とは

エリキシル剤は

甘味及び芳香のあるエタノールを含む澄明な経口液剤です。

有効成分にエタノール、精製水、芳香剤、白糖または甘味料を加えて、ろ過等を行い澄明な液にしたものです。

 

エタノールを加えることで、有効成分が溶解しやすくなったり、有効成分の苦味を矯味することができるといったメリットがあります。

 

デカドロンエリキシルはエリキシル剤であり、赤色澄明の液剤です。

ペパーミント及びチェリー様のにおいがあり、強い甘みがある薬剤です。

 

 

 

 

  アルコールとエタノール

アルコールは炭化水素の水素原子がヒドロキシ基(OH基)に置換されたものの総称です。

(芳香環の水素原子が置換されたものはフェノール類と呼ばれます)

エタノールメタノール、プロパノールなどがあります。

 

一般的にお酒に含まれているアルコールはエタノールになります。

 

 

 

  デカドロンエリキシルのアルコール含有量

デカドロンエリキシルには、95%のエタノールが100ml中に5ml含まれています。

 

ですので、デカドロンエリキシル100ml中にはエタノールが3.8g含まれています。

(アルコール比重0.8で計算)

 

また、デカドロンエリキシル1mlにデキサメタゾンは0.1mg含まれます。

 

 

デカドロンエリキシルの小児用量は

0.15~4mg/日 分1~4

→0.15~40ml/日

 

40ml服用した場合でもアルコール量は約1.52gです。

分4の場合ですと、1回量は約0.38gとなります。

 

5%のビールですと約37.5mlと同じアルコール量になります。

これが分4の場合は、1回量がビール約9mlと同じくらいになります。

 

 

添付文書にはアルコール中毒などの記載はありません。

副作用については他の薬剤と同じように複数書かれていますが、有効成分によるものか、アルコールによるものかは不明です。

 

含まれているアルコール量が少量であり、小児が服用しても問題ないものとしているのではないでしょうか。

 

小児への使用歴も長く、問題となったケースは無いため、アルコールに関しては心配せずに使用できる薬剤です。

 

 

 

  併用禁忌薬

アルコールの影響はほとんど無いと述べましたが、抗酒療法で使用される薬剤のうち併用できないものがあります。

 

シアナマイド(一般名:シアナミド

ノックビン(一般名:ジスルフィラム)

 

これらの薬剤と併用すると、アルデヒドの分解が遅延して悪酔いしてしまうため、併用することができません。

 

 

 

 

 

yakuzaishi-info.hateblo.jp