サラゾピリン(一般名:サラゾスルファピリジン)は潰瘍性大腸炎治療薬であり、アザルフィジンEN(一般名:サラゾスルファピリジン腸溶錠)は抗リウマチ薬です。
有効成分はどちらもサラゾスルファピリジンですが、適応症が異なります。
適応症
サラゾピリン(一般名:サラゾスルファピリジン)
アザルフィジンEN(一般名:サラゾスルファピリジン腸溶錠)
関節リウマチ
用法用量
サラゾピリン(一般名:サラゾスルファピリジン)
1日4〜8錠(2〜4g)を分4〜6
アザルフィジンEN(一般名:サラゾスルファピリジン腸溶錠)
1日1gを分2(朝夕食後)
規格
サラゾピリン(一般名:サラゾスルファピリジン)
500mg錠、500mg坐剤
アザルフィジンEN(一般名:サラゾスルファピリジン腸溶錠)
250mg錠、500mg錠
サラゾピリンは普通錠ですが、アザルフィジンENは腸溶錠となっています。
作用機序
サラゾピリン(一般名:サラゾスルファピリジン)
腸内でサラゾスルファピリジンがメサラジンとスルファピリジンに分解されます。
メサラジンは
・炎症性細胞から放出される活性酸素を取り除くこと
・炎症を引き起こすロイコトリエン(LTB4)の産生を阻害すること
により抗炎症作用を発揮します。
(スルファピリジンはメサラジンを大腸まで運ぶ担体として結合されています)
アザルフィジンEN(一般名:サラゾスルファピリジン腸溶錠)
T細胞、マクロファージに作用し、炎症性サイトカイン(IL-1、2、6)の産生を抑制します。
また、樹状細胞の活性化抑制、アデノシンを介する抗炎症作用、破骨細胞の分化抑制作用などの作用も認められており、抗リウマチ作用を発揮します。
アザルフィジンENが腸溶錠となっている理由
アザルフィジンENを製造している、あゆみ製薬のホームページでは
有効成分のサラゾスルファピリジンによる胃障害を軽減するため、アザルフィジンENを腸溶錠にしていると書かれています。
「EN」は、腸溶錠であるため、enteric(腸の)の最初の2文字から取ったものです。
先にサラゾピリンが潰瘍性大腸炎などの治療で使用されていました。
後に、同成分で胃障害軽減のため腸溶錠としたアザルフィジンENが発売されましたが、臨床試験は関節リウマチだけだったため、潰瘍性大腸炎などの適応はありません。
(同一成分であるため、適応はありませんがどちらも一定の効果はあると思われます。)