ミドリンM点眼液は有効成分にトロピカミドを含んでおり、
ミドリンP点眼液は有効成分にトロピカミドとフェニレフリンを含んでいます。
どちらも適応症は
「診断または治療を目的とする散瞳と調節麻痺」
となっています。
ミドリン「M」は近視(myopia)のMからきており、
ミドリン「P」はフェニレフリン(phenylephrine)のPからきています。
(フェニレフリンのみを含んだネオシネジン点眼液もあります。)
トロピカミドは抗コリン作用(ムスカリンM受容体遮断)により、瞳孔括約筋を弛緩させることにより散瞳させます。
また、毛様体筋を弛緩させて調節麻痺が起こります。
副交感神経は瞳孔括約筋を収縮させますが、抗コリン作用をもつトロピカミドがこれを阻害することで瞳孔括約筋の弛緩が起こり散瞳します。
ピント調節をしている毛様体筋も弛緩させますので、毛様体筋の緊張が原因の仮性近視にも有効です。
ミドリンPに含まれるフェニレフリンはα1受容体刺激薬です。
α1受容体を刺激することで瞳孔散大筋を収縮させて、散瞳させます。
トロピカミドとフェニレフリンによる相乗効果で、迅速かつ確実な散瞳が得られるため、ミドリンPは検査時に使用されることが多いです。
仮性近視の治療にはミドリンMで十分な場合が多いため、こちらが処方されるケースが多いです。
点眼後は、散瞳や調節麻痺が回復するまで、車の運転などはできません。
サングラスを着用するなどして、太陽光や強い光を直接見ないように指導もします。