アトニン-O注(一般名:オキシトシン)はオキシトシン製剤であり、分娩や止血などで使用されている薬剤です。
1単位/1ml/A
5単位/1ml/A
適応症
子宮収縮の誘発、促進並びに子宮出血の治療の目的で、次の場合に使用する。
分娩誘発、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術(胎児の娩出後)、流産、人工妊娠中絶
用法用量
原則として点滴静注法を選択します。
筋注法や静注法は調節性に欠けるため、弛緩出血に用いる場合か、又はやむを得ない場合に選択する。
・分娩誘発、微弱陣痛
点滴静注法
5~10単位を5%ブドウ糖液(500ml)等に混和。
1~2ミリ単位/分から開始し、経過を観察しながら調節。
20ミリ単位/分を超えないようにする。
・弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術(胎児の娩出後)
点滴静注法
5~10単位を5%ブドウ糖液(500ml)等に混和。
子宮収縮状況等を観察しながら調節
静注法(弛緩出血、胎盤娩出前後の場合)
5~10単位を緩徐に静注
筋注法
5~10単位を緩徐に筋注
・帝王切開術(胎児の娩出後)
点滴静注法
5~10単位を5%ブドウ糖液(500ml)等に混和。
子宮収縮状況等を観察しながら調節
筋注法
5~10単位を緩徐に筋注
子宮筋注法
5~10単位を子宮筋層内へ直接投与する
オキシトシンとは
オキシトシンは下垂体後葉から分泌されるホルモンです。
オキシトシンは子宮平滑筋を収縮させ、陣痛を起こして分娩を促したり、出産後は子宮の回復を早めます。
また、乳腺細胞の平滑筋を収縮させることで射乳作用をもたらします。
作用機序
オキシトシン製剤は子宮収縮剤として臨床では使用されています。
子宮平滑筋細胞膜にあるオキシトシン受容体に結合すると、生理的陣痛と同様の律動的な子宮収縮作用を起こします。
(律動的:ある運動が規則正しく繰り返される様子)
分娩誘発
陣痛がない状態で使用することで、陣痛の開始、分娩を誘発します。
陣痛微弱
陣痛はあっても、微弱である場合に使用することで、陣痛を強化します。
弛緩出血
分娩後に良好な子宮収縮が起こらないと、子宮からの出血が続いてしまいます。子宮を収縮させることで出血を止めます。
胎盤娩出前後
胎盤娩出前後にオキシトシンを投与することで分娩後出血のリスクなどを下げることができます。
子宮復古不全
子宮収縮が弱いと子宮内膜の回復が遅れてしまいます。
授乳によってもオキシトシンは分泌されるため、オキシトシン投与の他にも授乳が勧められる場合もあります。
帝王切開術(胎児の娩出後)
帝王切開後、子宮収縮を促進して子宮出血を減らします。