今回は私の体験談になります。
以前勤めていた職場(調剤薬局)での経験です。
月の勤務時間は300時間を超えていました。
これよりも長い時間勤務されている方や、もっとプレッシャーのかかる職場で働かれている方もいらっしゃると思います。
ですが、自分には大変な経験でしたので少し話させてください。
店舗の状況です。
薬剤師2名、事務員さん1名
門前処方箋平均枚数50枚
これだけだと、どうしてそんなに残業しているのか疑問に思われるでしょう。
この店舗では施設を受け持っており、在宅をしていました。
その数は4施設です。
元々は他の店舗が担当していたのですが、施設とは別のトラブルがあり閉局になってしまったようで、違う店舗が担当することになりました。
そのため、どの施設も距離があり訪問にも時間がかかりました。
近い施設でも片道40分以上、それでも近いのがこの店舗でした。
在宅をこの店舗が担当するようになった際にいた管理薬剤師が激務のため、半月で退職してしまいました。
他の店舗で働いていた私が急遽入ることになったのですが、想像以上に大変でした。
勤務時間は大体
8:00~22:00
だったと思います。
遅ければ零時近くまで、早くても21時でした。
4施設ありましたので、2人が2施設ずつ担当することになりました。
1施設20人前後はいました。
定期薬、臨時薬配薬に加え、往診にも同行をしていました。
門前からの外来を担当する日と、施設の薬準備、配達、往診に専念する日をそれぞれ交互になるようにしていました。
門前の外来に専念するのも、一人薬剤師なので気は抜けない状態でした。
8時から始まり、19時過ぎに終わりの連絡がクリニックから来たら、そこから施設の準備を開始です。
在宅をされた経験のある方なら想像しやすいと思いますが、施設定期薬の一包化、粉砕化、用法ごとのマーカー引き、別包薬のホッチキス止め、次の往診まで薬が足りているかの確認、そして急ぎの臨時薬や処方変更があれば対応しなくてはいけません。
施設担当の日も、往診の予定に合わせて、なるべく早く回らなくてはいけません。
なにしろ片道1時間くらいかかりますので。
施設ではお薬カレンダーに持って行った薬をセットして、入所者さんの状態を確認します。
往診が始まる前に、Drからの質問に答えられるように情報を頭に入れたり、シップや下剤などがどのくらい残っているか残薬のチェックもしておかなくてはいけません。
その日のうちに対応しなくてはいけない処方もありますので、なるべく早く薬局に帰って準備をします。
ストック薬で対応できれば良いのですが、入所者さんの人数が少なくないので夕方薬局に帰ってきて、夜出発することもありました。
日曜日が1日休みで、水曜と土曜が半休2つということでしたが、2つの半休は残業でつぶれてしまい、日曜日に施設から連絡があり対応をしたりすることもありました。
社用車は与えられていましたが、1台でしたので自分の車で施設訪問することもありました。
残業時間は長かったですが、見込み残業代(何時間だったかは分かりません)でしたので給料自体は変わりませんでした。
これはそういった条件で入った自分がいけないのですが、皆さんは見込み残業代の場合は何時間で計算されているのか面接の際に質問しておいた方がいいと思います。
上司には現状を何度も伝えましたが、人を増やしたりしてくれることはありませんでした。
そういった状態が数か月続き、もう一人の薬剤師が退職の意向を伝えたことで施設を終了することになりました。(他の薬局さんへの引継ぎも大変でした)
結局、辞めると言うまで真剣に取り合ってはくれず、もっと早くその意思を伝えれば良かったのかなという気もしています。
疲労と長時間の運転で何度か危ないと感じることもありましたので。
大変な経験と在宅を効率よく行う方法は少し身に付きましたが、危険な目に遭いながら続けるべきではなかったと思います。
疲労していたので判断力や決断力が鈍っていました。
ブラックな職場で消耗して、事故に遭ったり、身体を壊してしまっては意味はありません。
世の中には様々な薬局があります。
そこから逃げたとしても、その方が幸せになれると思います。
同僚の心配される優しい方もいらっしゃると思いますが、まずは自分の心配をして余裕ができたら周りを見るようにされたら良いのではないでしょうか。
次をどうしようか心配されている方も、辞表を出してからでも今回の経験を活かして良い職場をすぐに見つけることはできます。