今回は点耳薬の使い方についてです。
点耳薬は殺菌、消炎などの目的で耳孔内に使用されます。
初めて点耳薬を使用する患者さんには使い方をきちんと説明して理解してもらわなくてはいけません。
点耳とは耳に直接薬液を投与することをいい、点耳後しばらくそのままの状態に保つことを「耳浴」と言います。
一般的な点耳薬の使用法は以下のようになります。
・医師の指導に従って外耳道にある分泌物を取り除きます
綿棒で除去することが多いです。
・点耳を行う前に手をきれいに洗います
点眼をする時と同じですね。
・手のひらで容器を握って数分間薬液を温めます
冷たい薬液をそのまま点耳すると「めまい」を起こしてしまうことがあります。
・悪い方の耳を上にして、横向きになります
点耳をする側の耳を上にします。
耳の入り口が水平になるように頭の位置を保ちます。
・耳たぶを後ろに引っ張るようにして、点耳液を6~10滴(ステロイド含有製剤は除きます)滴下します
容器の先端が直接耳に触れないように注意します。
中耳炎の場合は、点耳後、耳たぶを後上方へ引っ張りながらゆするようにすると、外耳道がまっすぐになり薬液が奥まで入ります。
つばを飲み込むようにするのも良いです。
・点耳後そのままの姿勢を保ちます
点耳の場合:2~3分
耳浴の場合:約10分
・清潔なガーゼやティッシュペーパーなどを耳にあてて起き上がり、耳の外へ流れ出た点耳液を拭き取ります
起き上がると点耳液が出てきますので、それを拭き取って終了になります。
その他の注意点としては、容器の形が点眼液と似ているので、間違えて点眼をしないように注意が必要です。
また溶解してから使用する点耳薬は、溶解方法を患者さんに説明して理解してもらわなくてはいけないのと、溶解後の使用期限にも注意が必要です。
ホスホマイシン点耳薬(ホスミシンS耳科用)やセフメノキシム点耳液(ベストロン耳鼻科用)は溶解後の使用期限が短いです。
ホスホマイシン点耳薬(ホスミシンS耳科用)は室温で2週間
セフメノキシム点耳液(ベストロン耳鼻科用)は冷所保存で1週間が溶解後の使用期限となっており、経過したものは廃棄しなくてはいけません。
まとめ
・医師の指導に従って外耳道にある分泌物を取り除きます
・手のひらで容器を握って数分間薬液を温めます
・耳たぶを後ろに引っ張るようにして、点耳液を6~10滴(ステロイド含有製剤は除きます)滴下します
・点耳後そのままの姿勢を保ちます
点耳の場合:2~3分
耳浴の場合:約10分
・清潔なガーゼやティッシュペーパーなどを耳にあてて起き上がり、耳の外へ流れ出た点耳液を拭き取ります