今回はピコスルファート(ラキソベロン)についてみていきたいと思います。
よく処方されているお薬ですが、改めてまとめてみました。
ピコスルファート(ラキソベロン)には液剤と錠剤の2種類の剤型があり、液剤は内服量の調節に便利で、服用困難な方にも使用しやすいです。
処方されているのも液剤の方が多いですよね。
では作用機序の確認です。
ピコスルファート(ラキソベロン)は大腸刺激性下剤です。
胃や小腸ではほとんど作用せず大腸へ到達し、腸内細菌に由来する酵素アリルスルファターゼにより加水分解され、活性型のジフェノール体となります。
このジフェノール体は大腸を刺激し腸管運動を亢進させたり、水分吸収を阻害する作用があり排便を促します。
効果の発現には7~10時間程度かかると言われているので、服用は他の大腸刺激性下剤と同様に就寝前の投与が基本となります。
(大腸検査前に使用する場合は10~15時間前に使用します)
同じ大腸刺激性下剤であるセンノシド(プルゼニド)やセンナ(アローゼン/ヨーデル)は妊婦への使用が原則禁忌となっていますが、ピコスルファート(ラキソベロン)は子宮収縮を誘発するリスクが低いため妊婦にも使用されている下剤になります。
またセンノシド(プルゼニド)やセンナ(アローゼン/ヨーデル)は授乳婦に投与した際に乳児に下痢がみられた報告がありますが、ピコスルファート(ラキソベロン)は母乳中への移行はわずかであり授乳を避けるようにとの記載もありません。
妊婦や授乳婦にも使いやすい薬剤ですね。
また小児への適応もあり、通常の便秘症に用いる場合の用量は以下のようになります。
年齢6ヵ月以下:2滴
年齢7〜12ヵ月:3滴
年齢1〜3才:6滴
年齢4〜6才:7滴
年齢7〜15才:10滴
成人に対しては10〜15滴となっています。
センノシド(プルゼニド)やセンナ(アローゼン/ヨーデル)のような刺激性下剤は長期使用による耐性や習慣性が問題となってきますが、ピコスルファート(ラキソベロン)はこれらと比較して耐性や習慣性が生じにくいと言われています。
長期投与は避けるべきですが、もし長期使用した場合も習慣性が生じにくいのは大きな利点ですね。
ピコスルファート(ラキソベロン)内用液は1本10mlの製剤です。
15滴が1mlですので、1本(10ml)で150滴分です。
前回にお渡ししたピコスルファートがどれくらい減っているかで、患者さんの使用量も検討がつきますね。
ピコスルファート(ラキソベロン)内服液にはにおいは無く、やや甘い味がします。
原液のまま服用せず、水に滴下して服用するように指示があります。
これは原液のまま服用をすると口腔内に薬が残ってしまうのを避けるためです。
最後にピコスルファート(ラキソベロン)錠と内用液の換算です。
錠剤1錠(2.5mg)が内用液5滴に相当します。
ピコスルファート(ラキソベロン)についてまとめさせていただきました。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
まとめ
・ピコスルファートは大腸刺激性下剤であり、就寝前投与が基本
・耐性や習慣性が生じにくい
・妊婦や授乳婦にも使いやすい