薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

リルテック(リルゾール)の作用機序と食前服用

リルテック(一般名:リルゾール)はALS治療薬です。

 

 

 

  適応症

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病勢進展の抑制

 

 

 

  用法用量

1回1錠(50mg)、1日2回(朝及び夕食前)

 

 

 

  ALSとは

ALS:amyotrophic lateral sclerosis(筋萎縮性側索硬化症)は神経変性疾患であり、運動神経だけが障害を受けます。

 

脳から運動神経への伝達が伝わらなくなり、体が動かしにくくなり、筋肉が痩せていきます。

 

進行すると、話しにくくなったり(構音障害)、飲み込みにくくなったり(嚥下障害)し、呼吸筋が弱まると呼吸不全が生じてしまいます。

 

感覚や内蔵機能は症状が進行しても保たれています。

 

 

 

 

  作用機序

リルテック(一般名:リルゾール)はALSの進行抑制薬として使用されています。

 

リルテックは運動神経の神経細胞を保護することで、ALSの進行を遅らせていると考えられています。

 

神経伝達物質であるグルタミン酸が過剰に産生されると、刺激に神経細胞が耐えられなくなり障害されてしまいます。

 

リルテックはグルタミン酸遊離の阻害や、グルタミン酸の受容体である興奮性アミノ酸受容体を阻害したり、電位依存性Na+チャネルの阻害作用等により神経細胞保護作用を発揮していると言われています。

 

 

 

 

  食前投与の理由

リルテックの用法は食前となっています。

 

空腹で服用した時に比べて、高脂肪食を摂取した後ではリルテックの吸収が低下してしまったからです。

 

リルテックの吸収は食事の影響を受けるため、用法が食前に設定されています。

 

 

 

 

 

 

 

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