薬剤師情報局

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フオイパン(カモスタット)の作用機序

フオイパン(一般名:カモスタット)は蛋白分解酵素阻害薬であり、膵炎の治療などに使用されています。

 

 

  適応症

・慢性膵炎における急性症状の寛解

・術後逆流性食道炎

 

 

  用法用量

慢性膵炎における急性症状の寛解

 1回200mgを1日3回

 

術後逆流性食道炎

 1回100mgを1日3回 食後

 

 

 

  作用機序

膵炎はトリプシンをはじめとする膵液内の消化酵素が活性化することにより膵臓自体が消化され傷付く疾患です。

(トリプシン:膵液に含まれる消化酵素の一種。蛋白質を分解します。)

 

フオイパンはトリプシンなどの消化酵素の活性を阻害する働きがあり、膵臓が消化酵素に攻撃されるのを防ぐことで膵炎を改善します。

 

 

 

 

  慢性膵炎について

慢性膵炎は膵臓にいつも炎症が起こっている状態です。

 

みぞおちや背中に比較的重い痛みが現れ、それが続いていると膵臓の細胞が破壊されて膵臓の働きができなくなってしまいます。

 

膵臓血糖値のコントロール食べ物の消化に関わっていますが、膵臓が障害されるとこれらの働きができなくなり、糖尿病を発症したり、消化液が作れず下痢や体重減少といった症状が生じてしまいます。

 

慢性膵炎の原因の多くはアルコールであり、禁酒も重要です。

 

 

 

  術後逆流性食道炎への使用について

フオイパンは術後逆流性食道炎にも使用されます。

 

胃を摘出したりした術後や胃の機能が低下した状態だと、膵液を含んだ消化液が食道へ逆流してしまうことがあります。

 

そうなると食道が炎症を起こしてしまう逆流性食道炎が生じてしまいます。

 

逆流した膵液の中にもトリプシンが含まれており、フオイパンがこれを阻害することで、食道が傷害されないようにして逆流性食道炎を改善します。

 

術後逆流性食道炎の場合は、フオイパンの服用タイミングが「食後」に指定されています。

 

消化管に分泌された膵液中のトリプシン活性を抑えることで効果を発揮しています。

術後逆流性食道炎への使用では、膵液が最も分泌されやすい食後に服用することで効果をしっかり得ることができます。

 

 

 

 

 

 

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