薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

フェソロデックス(フルベストラント)の作用機序

フェソロデックス(一般名:フルベストラント)は抗エストロゲン薬であり乳がんの治療に使用されます。

 

 

  適応症

乳癌

 

 

  用法用量

本剤2筒(フルベストラントとして500mg含有)を、初回、2週後、4週後、その後4週ごとに1回、左右の臀部に1筒ずつ筋肉内投与する。

なお、閉経前乳癌に対しては、LH-RHアゴニスト投与下でCDK4/6阻害剤と併用すること。

 

 

  ER陽性乳癌について

がん細胞にエストロゲン受容体ER:estrogen receptor)が発現していると、ホルモンであるエストロゲンを栄養として増殖してしまいます。

 

エストロゲン受容体(ER)が発現している(陽性)かどうかは、腫瘍組織の検査で調べます。

 

エストロゲン受容体陽性(ER陽性)の乳癌はエストロゲンにより増殖する性質をもった乳癌です。

 

 

 

  作用機序

フェソロデックス(一般名:フルベストラント)はエストロゲンに分類されます。

 

フェソロデックスはエストロゲン受容体(ER)にエストロゲンが結合しようとするのを阻害します。

エストロゲン受容体が阻害されることで、がん細胞はエストロゲンを利用して増殖することができなくなります。

 

 

また、フェソロデックスにはもう一つの作用があります。

 

フェソロデックスはエストロゲン受容体(ER)の分解を促進してエストロゲン受容体(ER)の数を減らします。

 

受容体を阻害するだけでなく、受容体の数を減らすダウンレギュレーションも持つ薬剤です。

これらの作用により乳癌細胞の増殖を抑制します。

 

エストロゲン受容体陰性(ER陰性)の乳癌に使用しても効果は期待できないため、

陽性の場合に使用されます。

 

 

 

 

 

 

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