女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。
エストロゲンの種類
エストロゲン(E)は卵胞の発育とともに産生されるため、「卵胞ホルモン」とも呼ばれます。
エストロゲンには以下の3種類があります。
・エストロン(E1)
・エストラジオール(E2)
・エストリオール(E3)
エストラジオール(E2)の活性がエストロゲンの中で最も強いです。
E1:E2:E3=0.5:1:0.1
卵胞とは
卵子は卵胞という殻につつまれて卵巣に存在しています。
卵胞は卵子を保護し、栄養を与える構造をしています。
月経周期の卵胞期に発達し、成熟卵胞となり卵子が排卵されます。
エストロゲンの働き
エストロゲンは卵胞から分泌されるホルモンです。
エストロゲンは女性らしい体づくりをし、妊娠の準備をします。
・子宮内膜の増殖・肥厚
子宮内膜を徐々に厚くして妊娠の準備をします
・女性らしい体づくり
女性ならではの丸みをおびた体つきを作ります。
エストロゲンの分泌が増える年齢になると二次性徴が現れます。
・排卵誘発
卵胞からエストロゲンがたくさん分泌されると、卵胞が十分発育したと体が判断して、排卵を指示する黄体形成ホルモン(LHホルモン)が大量に分泌されます。
これをLHサージと呼びます。
・頸管粘液の変化
頸管粘液は子宮頸管から分泌されます。
分泌量が増え、粘稠度(粘りけ)が減り、牽糸性(伸びやすさ)が増えて精子が通過しやすくなります。
・骨密度の増加
骨形成を促進し、骨吸収(骨破壊)を抑制します。
そのため閉経により、骨粗鬆症を発症しやすくなります。
・LDLコレステロールの低下
閉経によりLDLが増加し、動脈硬化につながるおそれがあります。
エストロゲンの分泌調整
エストロゲンは視床下部から分泌されるホルモンによって調節されています。
GnRH LH/FSH
もう少し詳しくみてみましょう。
まず脳の視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が分泌されて下垂体がその指示を受け取ります。
すると下垂体から、LHやFSHといったゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)が分泌され血流に乗り卵巣へと移動します。
(LH:黄体形成ホルモン、FSH:卵胞刺激ホルモン)
FSHの作用で卵巣にある卵胞が発育し、エストロゲンが分泌されます。
もう一つの女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)についてはこちらです。