薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

ゲーベンクリームの作用機序

ゲーベンクリーム(一般名:スルファジアジン銀)は皮膚潰瘍治療剤です。

 

 

  適応症

外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,びらん・潰瘍の二次感染

 

 

  適応菌種

本剤に感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,緑膿菌カンジダ

 

 

  

  用法用量

1日1回、滅菌手袋などを用いて,創面を覆うに必要かつ十分な厚さ(約2〜3mm)に直接塗布する。
又は、ガーゼ等に同様の厚さにのばし,貼付し,包帯を行う。

なお、第2日目以後の塗布に際しては,前日に塗布した本剤を清拭又は温水浴等で洗い落としたのち、新たに本剤を塗布すること。

 

 

 

  特徴

殺菌効果があり、感染を防ぎます。

幅広い菌に有効で、緑膿菌にも効果があります。

火傷や褥瘡、皮膚潰瘍に使用されます。

クリーム状で塗りやすいです。

乳剤性基剤であり補水性があるので、滲出液が少ない創に使用されます。

壊死組織除去作用もあります。

 

 

 

  作用機序

ゲーベンクリームの有効成分はスルファジアジン銀です。

スルファジアジン銀に含まれるが、細菌の細胞膜、細胞壁に作用して抗菌作用を発揮します。

 

銀による殺菌作用は耐性が生じにくいと言われています。

また、耐性を獲得している菌に対しても効果があります。

 

抗生剤とは異なり、銀が直接、細胞膜や細胞壁に作用するためだと考えられています。

 

ゲーベンクリームには壊死組織除去作用もありますが、スルファジアジン銀によるものではなく、基剤の補水効果により壊死組織の融解が促進されるためだと言われています。

 

 

  注意点

約2~3mmと厚めに塗って使用します。

厚めに塗布することで、傷の保護や湿潤環境を維持するためです。

 

軽傷熱傷には使用することができません。

ゲーベンクリームを軽傷熱傷に使用すると疼痛が生じてしまうことがあるため、禁忌となっています。

また、創面感染治療を目的とした薬剤であるため、感染性のない熱傷には使用することができません。

 

添付文書に他剤と混合せず、単独で使用するように記載されています。

銀は蛋白質のSH基と強力に結合します。

ブロメライン軟膏のような外皮用酵素製剤と混合すると、酵素のSH基と結合して酵素活性を減弱させてしまいます。

 

 

 

 

 

 

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