薬剤師情報局

薬剤師の学習記録です

ルパタジン(ルパフィン)の抗PAF作用について

ルパタジン(ルパフィン)は第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬であり、アレルギー性疾患に使用されています。

 

適応症は

アレルギー性鼻炎

・蕁麻疹

皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

 

用法は

12歳以上の小児及び成人にはルパタジンとして1回10mgを1日1回経口投与する
なお、症状に応じて、ルパタジンとして1回20mgに増量できる

 

H1受容体拮抗薬は、ヒスタミンH1受容体に結合してヒスタミンと競合することで作用を発揮します。

 

抗原が体内に入ってくると、抗体(IgE)が産生され肥満細胞(マスト細胞)に結合します。

これにより肥満細胞が抗原を待ち構えた状態になり、そこに抗原が肥満細胞に結合しているIgEに付着するとケミカルメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサン、PAFなど)が肥満細胞から放出されます。

 

そのうちのヒスタミンヒスタミン受容体に結合すると花粉症や蕁麻疹といったアレルギー症状が生じてしまいます。

 

ヒスタミン受容体拮抗薬はヒスタミン受容体に結合することで、ヒスタミンが受容体に結合できないようにしてアレルギー症状を抑えます。

 

さらにルパタジンはヒスタミン受容体遮断作用の他に抗PAF作用を併せ持ちます。

 

上述のケミカルメディエーターの1つであるPAFplatelet activating factor 血小板活性化因子)は炎症や血管透過性の亢進、気管支収縮に関与しています。

 

血管透過性の亢進作用は鼻水や鼻閉の症状を引き起こしてしまいます。

 

ルパタジンはPAFがPAF受容体に結合するのも阻害をして、抗PAF作用を示します。

 

このようにルパタジンはH1受容体拮抗作用と抗PAF作用の2つの作用によりアレルギー症状を緩和するお薬です。

アレルギーを引き起こす2つの物質をブロックしてくれるのですね。

 

またルパタジンは体内で代謝され、一部はデスロラタジン(デザレックス)へと変換されます。

 

デスロラタジンは抗PAF作用はありませんが、H1受容体拮抗作用があります。

ルパタジンとして作用した後は、デスロラタジンとして体内で作用をします。

 

ルパタジンのTmaxは約0.9時間と早く効果が現れ、T1/2の約6.5時間が経過するとデスロラタジンへと代謝されていきます。

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デスロラタジンのT1/2は約20時間と長いです。

このことからルパタジンは早く効果が現れ、長く効果が持続する薬であると言われています。

 

また、

「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること」

との記載がされています。

 

 

  まとめ

・ ルパタジンはH1受容体拮抗作用と抗PAF作用の2つの作用によりアレルギー症状を緩和する

・PAFはケミカルメディエーターの一種であり、炎症や血管透過性の亢進、気管支収縮に関与している

・ルパタジンとして作用した後は、代謝されデスロラタジンとして作用する

 

 

 

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