薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

リバスチグミン(イクセロン/リバスタッチパッチ)の副作用対策

リバスチグミン(イクセロン/リバスタッチパッチ)は貼付剤型アルツハイマー認知症治療薬です。

 

他の抗認知症薬は経口薬ですが、リバスチグミンのみ貼付剤となっています。

 

そのため、他のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(以下AChE阻害薬)と比べて悪心や食欲不振などの消化器系の副作用が生じにくいです。

 

ですが、貼付部位に赤みや痒み等のかぶれが生じやすく、皮膚への副作用対策が必要な薬剤です。

 

貼る部位は背部、上腕部、胸部のいずれかの正常で健康な皮膚です。

そして24時間(1日)毎に貼り替えをします。

 

その際に、前回とは違う部位に貼るようにして毎日貼る場所を変えるようにします。

(上記の部位であれば効果はどこでも同じです)

 

かぶれ対策として保湿剤を使用しますが、翌日に貼る予定の場所へヒルドイドなどの保湿剤を塗っておきます。

そして翌日に、前日保湿剤を塗っておいた場所へパッチを貼り、今度は薬を剥がした側に保湿剤を塗ってケアをして翌日貼付できるようにしましょう。

 

もし皮膚症状があらわれてしまった場合は外用ステロイドや外用抗ヒスタミン薬を使用して対処します。

 

リバスチグミンの使用による皮膚症状は起こりやすいため、貼る場所を毎回変えること、保湿剤でのケアが非常に重要になります。

 

貼付剤であるデメリットを述べましたが、経口摂取が困難な方や食事時間が不規則な方には使いやすい薬剤ですね。

 

リバスチグミンはAChE阻害薬の一種ですが、特徴としてアセチルコリンエステラーゼ(AChE)だけでなく、ブチリルコリンエステラーゼ(BuChE)の2種類の酵素を阻害します。

 

2種類の酵素を阻害することでAChが分解されるのを抑え効果的に増やされます。

 

リバスチグミン(イクセロン/リバスタッチパッチ)には4. 5mg、9mg、13. 5mg、18mgと4種類の規格があります。

 

やはり他のAChE阻害薬と同様に吐き気や嘔吐などの副作用対策のため少量から開始し、量を増やしていく使い方をします。

 

18mg未満は治療域の用量ではなく、一定の期間使用をしてから量を増やしていきます。

 

1日4. 5mgから開始し、4週間毎に9mg→13. 5mg→18mgと漸増をしていくのが一般的です。

 

ですが、9mgから開始し4週後に18mgへ増量する増やし方もあります。

これだと4週間で治療域(維持量)に到達できますね。(通常ですと12週間かかってしまいます)

この増やし方をする場合は消化器症状の発現がないか特に注意をします。

 

以上リバスチグミン(イクセロン/リバスタッチパッチ)の副作用対策などを書いてきましたが、パッチ剤であるメリットとデメリットの両方がみられる薬剤ですね。

 

患者さんに説明する際はこれらの点を踏まえて指導をするようにしたいです。

 

 

 

 

  まとめ

・背部、上腕部、胸部のいずれかに使用し、毎回貼付部位は変更するようにする

・リバスチグミンによる皮膚への副作用対策として保湿剤を使用する

・保湿剤は翌日貼付する予定の場所へ塗布しておき、剥がした所も塗布するようにする