薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

ケアラム(イグラチモド)の作用機序

ケアラム(イグラチモド)は抗リウマチ薬です。

 

 

  適応症

関節リウマチ

 

 

  用法用量

1回25mgを1日1回朝食後に4週間以上投与し、

それ以降、1回25mgを1日2回(朝食後、夕食後)に増量する。

 

 

  作用機序

リウマチは免疫の異常により自分自身の細胞を攻撃してしまい、関節内の炎症を起こす疾患です。

炎症が長期間続くと、関節の破壊が生じてしまいます。

 

ケアラム(イグラチモド)は炎症や免疫に関わる体内物質を抑制することで、リウマチの症状を改善します。

 

免疫調整薬とも呼ばれています。

 

 

ケアラムはB細胞に作用して免疫グロブリン(IgG、IgM)の産生を抑制します。

抗体の機能をもつ免疫グロブリンを抑えることで、関節が攻撃されるのを防ぎます。

 

さらに、ケアラムは単球・マクロファージに作用して炎症性サイトカイン(TNFα、IL-1β、IL-6、IL-8、MCP-1)の産生を抑制します。

炎症性サイトカインは炎症反応を促進する低分子タンパク質です。

 

これらの作用は、細胞内で転写因子として働くNF-KB(nuclear factor KB)を阻害することで得られます。

 

このようにケアラムはNF-KBを抑制することで、免疫グロブリンや炎症性サイトカインの産生を減少させます。

その結果、過剰な免疫が抑えられリウマチ症状が改善します。

 

 

 

ケアラムの効果は、通常、投与開始後16週までに現れるので、16週までは投与を継続して効果を確認することが望ましいと言われています。

 

 

機序は不明ですが、ワーファリン(ワルファリン)との併用で、ワーファリンの作用が増強され重篤な出血を起こした症例が報告されており併用禁忌となっています。

 

 

初回投与量は1日1回25mgからとされています。

50mgから開始した場合、25mgと比べてALT,AST増加の発現率が高かったためです。

投与開始から4週間は25mgを続けます。

 

また、投与量は1日50mgを超えないようにします。

75mg投与では検査値以上の発現率が高かったためです。

 

 

 

 

 

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