点眼薬の1滴量
今までに患者さんから「この目薬は何日分ありますか?」、と質問されたことはあったでしょうか?
1本5mlの目薬を、例えば「1日2回両眼」に使用した場合、何日分となるのでしょうか?
今回は点眼液の1滴量についてまとめたいと思います。
まず、点眼液の1滴量は約30~50μLと言われています。
結膜嚢の容積は約30μL程度であり、さらにそのうち涙液が7~10μLを占めているため、適量が1滴となっています。
1滴の点眼でも、眼から溢れてしまうのですね。
眼の洗浄を行う目的でもない限り、点眼は1回1滴で十分です。
処方間隔に対して、点眼薬が減るのが早い患者がいた場合、使い過ぎに注意が必要です。
患者さんの中には、点眼量を増やせば効果が高まると考えている方もいます。
1滴の点眼でも眼から溢れているのに、点眼量を増やしても溢れ出る量が増えてしまうのと、涙嚢部から全身へ吸収される量が増えることにより、全身性の副作用が生じる原因となるおそれもあります。
特別な指示が無い限り、点眼は1回1滴で十分であることを指導します。
では点眼薬1本は何回分の量があるのでしょうか?
通常点眼液は「1本5mL」のものが多く、緑内障点眼ですと「1本2.5mL」のものもあります。
1回50μL(0.05mL)で計算した場合、1本5mLの点眼液は約100回分の量があります。
「1日2回 両眼」の指示だと1日4回点眼を行いますので
100回÷4=25日分となります。
「1日4回 両眼」の指示では
100回÷8=12.5日分です。
5mL1本が約100回分と覚えておいて、1日の点眼回数から計算をするようにしましょう。
緑内障の点眼薬には1本2.5mLのものがあります。
用法は1日1回であり、両眼に使用しても2滴/日です。
2.5mLの点眼液は5mLの半分ですので、1本で約50回分使用できます。
1日1回の用法では25日分になりますね。
(1滴50μLで計算しているので、実際にはこれよりも多い日数使用できると思います)
開封後点眼液の使用期間の目安は1ヶ月と言われています。
1ヶ月で使い切れなかった場合は、衛生上の観点から廃棄するように指導します。
1日1回の緑内障治療点眼薬が1本2.5mLとなっているのは、5mLだと1ヶ月で使い切れないからなんですね。
点眼薬の用法から1本で何日分になるか計算をして、受診間隔が早まったりしていないか注意をするようにしましょう。
まとめ
・点眼液の1滴量は約30~50μL
・1本5mLの点眼液は約100回分