薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

プロゲステロン(黄体ホルモン)について

女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)プロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。

 

 

  

  プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌

プロゲステロンは卵巣の黄体から分泌されており、黄体ホルモンとも呼ばれます。

排卵後、黄体の発達とともに分泌量が増えます。

 

 

 

  黄体とは

卵巣にある卵胞から卵子が出ると(排卵後)、卵胞は黄体と呼ばれる組織に変化します。

黄体となった後はプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌するようになります。

月経周期の黄体期に発達します。

 

 

  卵胞とは

卵子は卵胞という殻につつまれて卵巣に存在しています。

月経周期の卵胞期に発達し、成熟卵胞となり卵子排卵されます。

 

 

 

 

  プロゲステロンの働き

プロゲステロンは黄体から分泌されるホルモンです。

 

プロゲステロンは妊娠の維持に必要なホルモンです。

 

 

・子宮内膜を分泌期に

エストロゲン(卵胞ホルモン)の作用で子宮内膜が徐々に厚くなり妊娠の準備が進みます。(増殖期

排卵後、子宮内膜は増殖期からプロゲステロンにより受精卵の着床に適した分泌期と呼ばれる状態になります。

子宮内膜はより厚く、柔らかい状態になります。

 

・妊娠時の妊娠維持作用

妊娠した際、プロゲステロンオキシトシンの感受性を低下させ、子宮筋の収縮を抑制することで妊娠を維持させます。

妊娠の継続を助けるホルモンでもあり、妊娠初期の不安や抑うつ、つわりなどはプロゲステロンの増加によるものと考えられています。

妊娠しなかった場合は、黄体は白体となりエストロゲンの分泌が減少し、子宮内膜が剥がれて月経となります。

 

・妊娠中の排卵抑制

妊娠中、エストロゲンが高い状態が続くことで、脳の視床下部や下垂体に抑制がかかり(ネガティブフィードバック)、LHやFSHの分泌が抑制されて排卵が起こらなくなります。

 

・頸管粘液の変化

頸管粘液は子宮頸管から分泌されます。

分泌量が減り、粘稠度(粘りけ)が増え、牽糸性(伸びやすさ)が減り精子が通過しにくくなります。

 

基礎体温の上昇

プロゲステロンが体温中枢に働きかけ、基礎体温が上昇します。

排卵後、プロゲステロンが増加している間では0.3~0.6℃程度体温の高い状態が続きます。(高温期)

 

・体に栄養や水分を蓄える

妊娠に備えて体に栄養や水分を蓄えようとするため、むくんだり、太りやすくなります。

 

 

  プロゲステロンの分泌調整

エストロゲン視床下部から分泌されるホルモンによって調節されています。

 

 視床下部 → 下垂体 → 卵巣 → エストロゲン分泌

 

 

もう少し詳しくみてみましょう。

 

 

まず脳の視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が分泌されて下垂体がその指示を受け取ります。

 

すると下垂体から、LHやFSHといったゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)が分泌され血流に乗り卵巣へと移動します。

(LH:黄体形成ホルモン、FSH:卵胞刺激ホルモン)

 

LH(黄体形成ホルモン)が卵巣の黄体に作用し、プロゲステロンの分泌を増加させます。

 

 

 

もう一つの女性ホルモンである、エストロゲン(卵胞ホルモン)についてはこちらです。

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